カムシャフトハウジングの取り付けでボルトを締めてる時に「ピキッ」といい音が響き渡り、シリンダヘッドのネジ穴を潰してしまいました。見事にネジ山が無くなっており、これは「ネジ山の修理」=「リコイル」しかない!
昔、「リコイル」は失敗すると手がつけれなくなるので素人は手を出すなと言われていたのですが、やるしかありません。(一人でやるのではないので何とかなるでしょう。)
M8サイズのリコイルキット(リコイル、中タップ、S型挿入工具、タング折取り工具、)と下穴開け用にM8.3ドリルを用意します。
大型ホームセンタのプロショップで入手可能です。作業はキットに入っていた説明書に従って進めます。
①下穴加工
ドリルで下穴を開けます。
切り子がエンジンの内部などに入ってしまわない様にテープでマスキングしておきます。
穴を面に対して直角に開ける為にドリルスタンドも用意したのですが、場所が狭くて設置できません。仕方ないので前と横の2点から垂直を確認しながらハンドドリルで慎重に開けていきます。ドリルの切り子はエアーで完全に取り除きます。
②タップ
タッピングも面に対して直角になるように加工します。
潤滑油を散布して、切り子を取り除きながら慎重に行わないと折角出来たネジ山を潰してしまいます。
本当は大型タップハンドルに取り付けて作業をした方がいいのですが、場所が狭くて入りません。
仕方がないのでモンキーに挟んで手で押さえながら回しています。
タッピングが完了したら内部の切り子をパーツクリーナやエアーで完全に除去します。
④リコイルの挿入
S型挿入工具にリコイルを取り付けて、タッピングしたネジ穴にゆっくりと回しながら挿入します。
少しだけ押しながら回すとリコイルが少し伸びながら入っていきます。
急ぎすぎると、斜めに入ったり、ネジ山を飛ばしてしまうので慎重に進めます。
リコイルがネジ穴に入り切ったら、リコイルの先端にあるタング(90°に曲がった部分)をタング折取り工具を押込んで折ります。折れたタングを除去します。
カムシャフトハウジングのボルトを規定トルクで締めつけても問題無かったので完成です。
後日、シリンダヘッドに付いているクーラント用のアダプタ取付ボルトを折ってしまいました。このボルトはネジ穴の中で錆びていて取るのにネジ穴を潰してしまいましたが、リコイルで復活しました。
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